【第2回】SSH接続できるようにする

2022年3月21日月曜日

webサーバー

 SSH接続できるようにする




 「RaspberryPiを使ってWebサーバーを立てる」第2回です。この回ではRaspberryPiにWindowsパソコンから遠隔でコマンドを実行できるようにするためにIPアドレスの固定などネットワーク関係の設定を行っていきます。少し難しいかもしれませんがなるべく分かりやすく説明します。全体の目次はこちらです。

 〇目次

  1. IPアドレスの固定
  2. RaspberryPiのファイアーウォールの設定
  3. ルーターのポート開放
  4. Tera Termの使い方

 〇今回使うコマンド

  1. nmcliコマンド(初めて)
  2. viコマンド(初めて)
  3. systemdコマンド(初めて)

 〇IPアドレスの固定

 初期設定ではIPアドレスが自動で変わるようになっているので固定させます。まずはターミナルを起動して以下のコマンドを実行します。とりあえずルート権限で実行しましょう。

$ su -
# nmcli device

 今使った「nmcli」について軽く説明します。

 nmcliは主にネットワーク関係の設定を行うコマンドです。オプションやオブジェクトなどについて詳しく知りたい方はこちらのブログを参考にしてみてください。


 コマンドを実行すると現在接続しているネットワークの接続先などが表示されます。見るところはSTATEが「接続済み」と表示されている列のDEVICE、CONNECTIONです。私の例ではDEVICEが「wlan0」、CONNECTIONが黒塗りになっているところです。①DEVICEと②CONECTIONをメモを取るなりしましょう。(この①と②は後で使います)

 次に以下のコマンドを実行します。このコマンドはwindowsで言う「ipconfig」です。Centosを含むlinuxではifconfigになっているようです。

# ifconfig

 実行するとネットワークの状態などが表示されます。見る場所は先ほどメモした①DEVICEの項目です。wifiを使っている場合は「wlan0」、イーサーネットの人は「eth0」で、私はwifiを使っているので「wlan0」の項目です。その中にある③「netmask」と④「ether」の項目をメモしましょう。

 次にルーターのゲートウェイのアドレスとDNSサーバーのアドレスを確認します。これは環境によって確認方法が異なります。

 まず、コントロールパネルを開きます。開き方がわからない場合はタスクバーにある虫眼鏡のアイコンをクリックして「コントロールパネル」と入力してください。コントロールパネルが開いたら「ネットワークとインターネット」をクリックしましょう。

 
 次に「ネットワークと共有センター」をクリックします。

 次に左のメニューの中から「アダプターの設定の変更」をクリックしましょう。

 次に自分が接続しているアダプターを見つけて右クリックします。メニューから「状態」をクリックします。

 ウィンドウが開いたら「詳細」をクリックします。

 「ネットワーク接続の詳細」が開いたらプロパティの中にある⑤「IPv4デフォルトゲートウェイ」と⑥「IPv4DNSサーバー」を見つけます。それぞれの値をメモしましょう。(この⑤と⑥は後で使います)

 次にCentosのターミナルで以下のコマンドを実行してネットワークの設定ファイルを開きます。②「CONNECTION」は最初に確認した②「CONNECTION」の値をそのまま入力してください。
# sudo vi /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-②「CONNECTION」

 上のコマンドを実行すると次のようなコマンドが出てきます。やることは2つです。一つ目は「BOOTPROTO」の項目をdhcpからnoneに変更する、2つ目は「#ここから追加」より下を追加することです。それぞれ先ほどメモした値を入力しましょう。IPADDRの項目は特別なこだわりがない限り現在のIPアドレスで固定させておきましょう。現在のIPアドレスは先ほど調べたifconfigから「inet」の項目が現在のIPアドレスになっています。
なお下の例では関係ない項目を空白にしていますがセキュリティ上念のためここで非表示にしているだけなので皆さんは空白にしないでください。

 今使ったコマンド「vi」について軽く説明します。



 viはwindowsで言う「メモ帳」です。ただ扱いが少しめんどくさいです。詳しく知りたい方はこちらのブログを参考にしてみてください。下で最もシンプルな使い方を解説します。
 入力の仕方は「a」キーを押すと文字を入力できるようになります(入力モードに切り替え)。入力が終わったら「Esc」を押して「:wq」と入力して「Enter」を押して終了です。この「wq」は保存して終了、「q」で保存せずに終了です。今後もviコマンドをよく使うので覚えておきましょう。

ESSID=
MODE=
KEY_MGMT=
SECURITYMODE=
MAC_ADDRESS_RANDOMIZATION=
TYPE=
PROXY_METHOD=
BROWSER_ONLY=
BOOTPROTO=none
DEFROUTE=
IPV4_FAILURE_FATAL=
IPV6INIT=
IPV6_AUTOCONF=
IPV6_DEFROUTE=
IPV6_FAILURE_FATAL=
IPV6_ADDR_GEN_MODE=
NAME=
UUID=
ONBOOT=

#ここから追加 (この行は追加しない)
HWADDR=④「ether」を入力
IPADDR=固定させたいIPアドレスを入力
NETMASK=③「netmask」を入力
GATEWAY=⑤「IPv4デフォルトゲートウェイ」を入力
DNS1=⑥「IPv4DNSサーバー」を入力

これで設定ファイルの設定が終わったので反映させるために以下のコマンドを実行します。
# systemctl restart NetworkManager
# systemctl restart network

 今使ったコマンド「systemctl」について軽く説明します。

 systemctlはsystemdというプログラムを操作するためのコマンドです。さらに詳しく知りたい方はこちらのブログを参考にしてみてください。

 以上でIPアドレスの固定が完了しました。

 〇RaspberryPiのファイアーウォールの設定

 以下のコマンドを実行しましょう。1行目でhttp、2行目でhttpsの通信を許可させます。3行目で反映させます。「success」と表示されればOKです。

# firewall-cmd --permanent --zone=public --add-service=http
# firewall-cmd --permanent --zone=public --add-service=https
# firewall-cmd --reload

 〇ルーターのポート開放

 今度はルーターのポート開放を行っていきます。私はNECのルーターですがバッファローなどのルーターを使っている場合は以下のページを参考にしてみてください。ここではNECで進めていきます。


 〇NECルーターの設定方法
 まずルーター設定画面に接続します。以下のリンクから設定ページに行けます。


 ユーザー名とパスワードを入力しましょう。
 ログインしたら設定のホーム画面が表示されます。

 左のメニューから 詳細設定 > ポートマッピングの設定 へ進みます。「NATエントリ」の設定画面が表示されたら右下の「追加」をクリックします。

 追加画面が表示されたら「LAN側ホスト」に先ほど固定させたRaspberryPiのIPアドレスを入力します。「ポート番号」に80を入力します。「優先度」はとりあえず1にしましょう。多分あまり関係ないです。出来たら右下の「設定」を押して「前のページに戻る」をクリックします。

 同じように「ポート番号」の項目を443にした設定を追加します。外部からSSH接続させたい場合は22も追加します。NATエントリが2つまたは3つ設定出来たら左のメニューの一番上にある「保存」をクリックして完了です。

 〇Tera Termの使い方

 最後にwindowsからRaspberryPiに遠隔でコマンドを実行できるようにするTeraTermというソフトを入れます。下のサイトからダウンロードしてインストールしてください。インストールの仕方は適当にボタンを押すだけなので割愛します。


 TeraTermが開いたら以下の画像のように設定してください。

 鍵に関する画面が出てきたら「続行」を押してください。
 次にユーザー名とパスワードを入れます。ユーザー名には管理者権限であるroot権限で入る場合は「root」と入れてください。基本的にはこのroot権限で入っていいと思います。root権限で入りたくない場合は最初に決めたユーザー名をそのまま入れてください。パスワードはroot権限の場合、初期設定は「centos」です。#passwdコマンドでパスワードを変更している人は変更後のパスワードを入れてください。root権限ではない場合は最初に設定したパスワードをそのまま入れてください。

 下のような画面になればOKです。ここでコマンドを実行するのはCentosの「ターミナル」で実行するのと同じことになります。


 以上でネットワークの設定が完了しました。次回からはマウスやキーボードをRaspberryPiに接続する必要はないです。

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大学3年。小学のころから電子工作が好きです。現在はIoTデバイスの制作やドローンの制作などをしています。

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